沖縄で憧れの外人住宅に住むための8つの注意点
広い庭にこじんまりした外人住宅。見た目がプチアメリカンでかわいいですよね。不動産やさんに聞くと結構探している人が以外に多いのだとか。
ぶっちゃけ、沖縄でここに住むのはなぁ~私はおすすめしません。その理由を以下に挙げます。
初めに、私がいう外人住宅の定義ですが、殆どが1950年代から1970年代に建てられた、もともと在日米軍人の住居のための住宅についてです。不動産では中古物件として古民家と並び人気があります。
造りとしては平屋で、隣地との境に塀がなく、外壁は白、というイメージがあります。
比較的新しい、在沖米軍人向けの、広くて米軍の検査を必要とする住宅をここでは米軍人向け住宅という表現にして区別しておきますね。
最近ではちょっとオシャレなカフェなどにリフォームされていたりします。
古いのだけど、ちょっと手をかけた感がかわいくていいんですね。
さて、ここに住むとなると、どうなるのでしょう。
いくつか問題点が考えられますので、検証してみましょう。
1.築年数が古い。
殆どが1950年代から1970年代に建てられていますので、はっきり言って古いです。
この古さがよいと言ってしまえばそれまでですが、老朽しているものはやっぱりちょっと怖いです。
それでも、古い方はまだ信頼できます。一番危ないのが海洋博の頃に建てられたものです。
この時期は建築ラッシュで所謂粗悪品が多く出回っています。なのでリフォームを依頼されたとき、昭和40年竣工です、と言われたら、じゃあ安心ですね。なんて言葉が飛び交います。
そして、古いということは、設備配管が腐敗していたり、修理が不可能なほどサビていたりなど難があることも珍しくありません。
2.暑い
夏は死にそうになるほど暑いです。平屋なので直射日光がモロに来ます。考えてみてください。沖縄は海に囲まれているので夏でも気温はさほど上がりませんが、あの殺人的な日光をまともに当てて2時間もすると人は火傷します。建物の中は当然蒸し風呂というかサウナのようになります。しかも、コンクリートは蓄熱してしまうので夜も涼しくなりません。
米軍人は留守の時もクーラーをOFFにしません。旅行中もクーラーをつけたまま行くのでひと月の電気料金が7~8万円になることもあるそうです。
3.寒い
また、冬は芯から冷えて寒いのです。床が低く、コンクリート土間に直接カーペット敷なので、地中の冷気なども入ってきます。底冷えします。そもそもコンクリート住宅は冷えるものです。
日本復帰前ですから公庫基準なんてものは無きに等しいので断熱材などは入っていないと考えてもよいほどです。
4.カビやすい
床下がそのまま土だからでしょうか、いつまでも湿気を帯びています。常に通風換気するかエアコンをつけっ放しするしかないでしょうね。コンクリートの結露もあるので、乾くことはありません。
5.騒音が大きい
もともと在日米軍人の住居ですので、必然的に基地に近くなります。ということは夜中もひっきりなしに飛び交う戦闘機の音は覚悟です。防衛省が定める防音地域に在るのが殆どですが、防音工事から年数が経っているので効果は無いと心得ていた方がよいでしょう。
6.バストイレが一緒
ユニットバスじゃないのに一緒ってどういうこと?しかも無駄に広いのです。
7.アスベスト材が使われている
外人住宅に限るわけでもないのですが、この世代の建物はアスベスト材が使われているのが主流でしょう。リフォームするときはこれも念頭に入れておくべきです。
8.キッチンが高すぎる
日本人向けのシステムキッチンの高さは85センチが標準ですが、さすが外人住宅は大型ですね。おそらく95センチ以上で、小柄な方は使い辛いのです。慣れればどうってことないのでしょうけど。
ざっと難点を挙げてしまいましたが、利点としてはリフォームOKの物件が多いことでしょうか。お休みの日に家族で家のペンキ塗りなんてことも夢じゃありません。
上に挙げた難点をクリアするために、引っ越し前にリフォームする方がいいと思います。少なくとも既存カーペットは剥がして床組みはした方がいいです。というかしてください。
固いコンクリート床に過ごすとヒザをいためます。底冷えから体調が狂います。カーペットはカビ・ダニ・ノミの温床です。健康的な生活をしたいのでしたらここは省いてはいけません。
間取りや設備機器を替えるとなると一千万円以上かかることもあります。
#100blogs 8/100
投稿者プロフィール
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一級建築士・住まいづくりナビゲーター
沖縄生まれ
子ども3人
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