シックハウス症候群のご相談

ご相談を承りました。
案外知られてなく、重要なことですので、相談者の許可を得て転載します。

気分のすぐれない女性

以前住んでいたマンションの隣室で、前予告なく塗装工事に入られてしまいました。換気口から匂いが入り、私は呼吸困難で救急搬送と入院でした。
自分の家を建てたいのですが、シックハウス症候群で塗装剤等にアレルギーを起こします。そういった建材等を使わないログハウスや住宅を設計していただける人を探しています。

このようなお話でした。

シックハウス症候群を含む化学物質過敏症はお辛いですね。これについて治療法はなく、今のところは原因物質を避けるしかありません。対応は大変かと思います。
シックハウス対応住宅を謳っている会社の中には、ホルムアルデヒドを使用しないというだけでシックハウス対策とか健康住宅とか謳っているハウスメーカーもいますので、その言葉をその通りに信用しない方がいいと思います。
ちなみに現在の建築基準法ではホルムアルデヒド含有量0は最低限の当たり前の基準です。全ての会社がそうだとは限りませんが、シックハウスについての知識も持ち合わせていない営業や案内担当に接客させている場合、その人にとっての危険が伝わらないこともあります。

例えばですが、卵アレルギーがあるとしましょう。
「私、卵アレルギーがあるんですが、このポテトサラダには卵が使われていますか?」
「大丈夫です。このサラダにはポテトと人参、ブロッコリーが使われています。卵は入っていません」
と言われ、注文したサラダにたっぷりのマヨネーズが使われていたらどうでしょう。
マヨネーズに卵が使われていることを知っている人にとっては当たり前の知識です。しかし、マヨネーズと卵は全く別のもの、と思い込んでいたら大変です。

シックハウス症候群の場合、避けることが重点ですのでその原因物質の特定が必要です。
シックハウスの原因としてよくあるのが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどの揮発性の有機物質です。接着剤や防腐剤としてよく使われています。
もちろん、そのような物質を含まない塗料を使わずに建築するのも可能です。けれど、原因となる物質は、塗料にだけ含まれているのではないので、これまた厄介です。
給湯器の排気ガスやエアコンのカビなども原因となります。

建築資材は規制があるのですが、実は家具やカーテンにまでは法規制は届いていません。せっかく建材を厳選しても模様替えした際の家具やカーテンが原因でシックハウス症候群を発症してしまうこともあります。

また、実はあまり知られていないのですが、天然のヒノキにも化学物質が相当量含まれています。あの桧の何ともいえない癒される香りはヒノキチオールという成分ですが、これは桧が出す天然の防虫剤なんですね。ちょっと化学式は忘れましたが、酸素と反応することで規制されている有機物質とほぼ一緒の成分に変わるのです。良かれと思って総桧(すべての木材を桧を使用)で新築した住宅に住んで体調を崩した方もおられます。
天然の素材だからと言って、すべてがいいとは限らないということを認識させられました。

一度は、どの物質に反応するか調べてからの方が良いかと思われます。

それが難しいのであれば、一番いいのが古民家です。
化学物質は永い年月とともに抜けていますし、何よりも気密性に欠けるので風通しがよくなります。この風通しが原因物質を遠ざける方法にもなります。